「虚言癖」は英語で何と言えばいいのか、調べるほど迷いやすい言葉です。pathological liar、compulsive liar、habitual liar、liar など似た表現があり、どれも同じように見えるかもしれません。
ただ、英語では言葉ごとに強さや失礼さがかなり違います。特に pathological liar は日本語の「虚言癖がある人」に近い一方で、相手へ直接使うとかなり強いラベルになります。意味だけでなく、使ってよい場面と避けた方がよい場面まで押さえることが大切です。
この記事では、pathological liar の意味、虚言癖を表す英語表現の比較、実際に使える例文、使うと失礼になりやすい言い方をまとめます。読み方や、妄想癖との違いが気になる方にもつながるように整理します。
- 虚言癖の英語は pathological liar だけではない
- pathological liar は意味が強く、相手へ直接使うと失礼になりやすい
- 表現比較表で compulsive liar や habitual liar との違いがわかる
- 例文では説明用と会話用の安全な言い換えを分けて使う
pathological liarの表現比較表

最初に押さえる結論
日本語の「虚言癖」を一語で英語にするなら、まず候補になるのは pathological lying または pathological liar です。行動そのものを説明するなら pathological lying、人を指すなら pathological liar と考えると整理しやすいですね。たとえば「虚言癖について調べている」と言いたいなら pathological lying、「虚言癖がある人」と言いたいなら pathological liar が近くなります。
ただし、会話でいきなり相手に「You are a pathological liar.」と言うのはかなり強い表現です。日本語でも「あなたは病的な嘘つきだ」と言われたら、ほとんど攻撃に聞こえますよね。英語でも同じで、説明・読解・第三者への状況整理には使えても、本人への直接発言には注意が必要です。
英語学習としては、まず pathological liar を覚えたうえで、日常会話では compulsive liar、habitual liar、someone who lies a lot なども使い分けるのが現実的です。特に相手を責めたいのではなく、困っている状況を説明したいだけなら、やわらかい表現に置き換えた方が伝わりやすくなります。
pathological liarの意味
pathological liar は、直訳すると「病的な嘘つき」です。Cambridge Dictionary では、理由がない場面でも嘘を繰り返し、やめられない人という意味で説明されています。英語の pathological は「病的な」「病理的な」という重いニュアンスを持つため、単なる liar よりもかなり深刻な印象になります。
ここで大切なのは、pathological liar が日常の軽い悪口ではないことです。友達が少し話を盛った、同僚が一度言い訳した、家族が都合の悪いことを隠したという程度で使うと、相手を過剰に決めつける言い方になります。英語圏の記事や心理系の解説で見かけることはありますが、本人に向けて投げる言葉としてはかなり強いです。
また、pathological liar は人をラベル化する言い方でもあります。文章で使うなら「He is a pathological liar.」よりも、「He often lies even when there seems to be no clear reason.」のように行動を説明する形の方が安全です。英語では、人物を断定する名詞表現より、行動や状況を説明する文の方が角が立ちにくくなります。
compulsive liarとの違い
compulsive liar は「強迫的に嘘をついてしまう人」という意味で、pathological liar より日常会話で見かけやすい表現です。compulsive は「衝動を抑えにくい」「ついしてしまう」というニュアンスがあり、嘘をつくことが習慣化している状態を説明するときに使われます。
両者の違いは、はっきり線引きできる医学用語の違いというより、使われる場面と印象の違いとして理解すると実用的です。pathological liar は「病的」「深刻」「背景に問題がありそう」という響きが強く、compulsive liar は「やめられない癖として嘘をつく」という響きがやや前に出ます。もちろん、どちらも相手へ直接言えばきつい表現です。
たとえば、心理学の記事を読んでいると pathological lying と compulsive lying が近い意味で使われることもあります。一方、日常会話で「彼はすぐ嘘をつく癖がある」と説明したいだけなら、compulsive liar よりも「He lies a lot.」「He has a habit of lying.」のような文にした方が自然な場面も多いです。
| 表現 | 日本語の近さ | ニュアンス | 会話での注意 |
|---|---|---|---|
| pathological liar | 病的な虚言癖のある人 | かなり強い | 本人に直接言うと攻撃的 |
| compulsive liar | 嘘をやめにくい人 | 強いが日常でも見かける | 決めつけに注意 |
| habitual liar | 嘘が習慣の人 | 比較的説明的 | それでも失礼になり得る |
| liar | 嘘つき | 直接的な非難 | 会話ではかなり刺さる |
habitual liarやliar
habitual liar は「嘘をつくのが習慣になっている人」という意味です。habitual は「習慣的な」という意味なので、pathological より医学的な響きは弱くなります。ただし、人に対して使えば「あなたは嘘をつく癖がある人だ」と言っているのと同じなので、軽い言葉ではありません。
liar は最も基本的な「嘘つき」です。単語としては簡単ですが、実際の会話ではかなり直接的です。「You are a liar.」は、単に「あなたは事実と違うことを言った」ではなく、「あなたは信用できない人だ」と人格を責める響きになりやすいです。英語学習では覚える必要がありますが、使う場面は慎重に選びましょう。
より穏やかに言うなら、「That does not sound accurate.」「I do not think that is true.」「There are some inconsistencies in what he said.」のように、相手の人格ではなく発言の正確さに焦点を当てる言い方があります。特に職場や家族間では、liar と断定するより、何が事実と違うのかを具体的に伝える方が話し合いになりやすいです。
- 人を責めるなら liar になりやすい
- 癖を説明するなら habitual liar が近い
- 深刻な虚言傾向を説明するなら pathological liar が近い
- 会話では行動を説明する文に置き換えると安全
妄想癖との違い
虚言癖を英語で調べていると、妄想癖との違いも気になると思います。大まかに言えば、虚言癖は「事実と違うことを言う行動」に焦点があります。一方、妄想に近い状態では、本人が事実ではない内容を本当に信じ込んでいる場合があります。周囲から見るとどちらも「嘘」に見えることがありますが、背景は同じではありません。
英語で妄想を表す代表語は delusion です。delusion は「根拠が乏しいのに強く信じ込んでいる考え」という文脈で使われます。日本語の「妄想癖」をそのまま lying と訳すと、本人が意図して騙しているように聞こえることがあるため注意が必要です。
たとえば、相手が意図的に話を盛っているのか、本人の中では本当にそうだと感じているのかで、対応は変わります。診断や断定は専門家の領域ですが、日常会話では「lie」と「delusion」を混ぜない意識が大切です。詳しく整理したい場合は、虚言癖と妄想癖の違いを解説した記事も参考にしてください。
pathological liarの例文と使うと失礼な表現

説明用の例文
pathological liar を使った例文は、まず「説明用」として覚えるのが安全です。誰かに直接ぶつける言葉ではなく、英語記事を読む、心理学系の文章を理解する、第三者へ状況を説明する場面で使う表現として考えましょう。特に文章では、person を主語にして断定するより、behavior を主語にすると落ち着いた言い方になります。
たとえば「Pathological lying can damage trust in relationships.」なら、「病的な虚言は人間関係の信頼を傷つけることがある」という意味です。この文は特定の人を攻撃していないため、説明文として使いやすいですね。「He is a pathological liar.」よりも、かなり中立的です。
人について説明する場合も、「I am worried that he lies even when there is no reason to.」のように、ラベルではなく具体的な行動を述べる方が無難です。英語では、強い名詞を一語で貼るより、何が起きているのかを文章で説明した方が冷静に聞こえることが多いです。
| 英文 | 日本語訳 | 使いやすさ |
|---|---|---|
| Pathological lying can damage trust. | 病的な虚言は信頼を傷つけることがある | 説明向き |
| He lies even when there is no clear reason. | 彼は明確な理由がない場面でも嘘をつく | 比較的安全 |
| I am concerned about her repeated lying. | 彼女の繰り返す嘘が心配です | 相談向き |
| He is a pathological liar. | 彼は病的な嘘つきです | かなり強い |
会話で自然な例文
会話で自然に使いたいなら、pathological liar をそのまま使うより、状況をやわらかく説明する英文を持っておく方が便利です。たとえば「He tends to lie a lot.」は「彼はよく嘘をつく傾向がある」という意味で、pathological liar より軽い表現です。もちろん、これでも本人に直接言うと失礼なので、第三者への相談や状況説明向きです。
相手本人に伝える場合は、「You are lying.」よりも「That does not match what you said before.」のように、過去の発言との食い違いを示す方が冷静です。「前に言っていたことと合っていない」という言い方なら、相手の人格を断定せず、事実確認に戻しやすくなります。
家族や友人に相談するなら、「I do not know what to believe anymore.」も使えます。「もう何を信じればいいかわからない」という意味で、相手を病的と断定せず、自分の困りごとを伝えられます。虚言癖に振り回されている側の気持ちを説明したいときに自然です。
相手を pathological liar と呼ぶより、「発言が前と合っていない」「何を信じればよいかわからない」「繰り返す嘘に困っている」と状況を説明する方が、会話はこじれにくくなります。
読み方と発音の目安
pathological liar の読み方は、カタカナで近づけるなら「パソロジカル・ライアー」です。pathological は少し長く、英語では「path-o-log-i-cal」のように音が分かれます。liar は「ライアー」に近いですが、日本語の「ライヤー」より、最後の r の音を軽く残すイメージです。
英語で発音するときは、pathological の途中を急がないことがポイントです。日本語話者は「パソロジカル」を一気に言いやすいですが、英語では th の音、lo の音、gi の音が続きます。正確な発音を完璧にするより、まずは pathological liar が一つのまとまった表現だと覚える方が使いやすいと思います。
また、日本語の「虚言癖」自体の読み方に迷う人もいます。虚言癖は「きょげんへき」と読みます。「きょごんへき」と読まれることもありますが、一般的には「きょげんへき」です。日本語の意味と読み方から確認したい場合は、虚言癖の読み方と意味を解説した記事を先に読むと理解しやすくなります。
使うと失礼な表現
使うと失礼になりやすい表現の代表は、「You are a pathological liar.」です。文法としては間違っていませんが、実際の会話では相手の人格を強く否定する言い方になります。言われた側は、嘘の内容について話す前に、自分が攻撃されたと感じやすいです。
同じように、「You are a liar.」「You are crazy.」「You are delusional.」もかなり危険です。特に crazy や delusional は、相手の心の状態を雑に決めつける響きがあります。英語ではカジュアルに聞こえる場面もありますが、深刻な人間関係の話では避けた方が無難です。

どうしても事実確認をしたいなら、「That is not what I remember.」「Can we check the facts?」「I need to understand what actually happened.」のように、相手の人格ではなく事実に戻す表現を選びましょう。虚言癖に関する英語表現は、正確さだけでなく、関係をこれ以上悪化させない言い方も大切です。
- You are a pathological liar.
- You are a liar.
- You are crazy.
- You are delusional.
安全な言い換えの基本は、「人」ではなく「発言」や「状況」を主語にすることです。たとえば「You are lying.」ではなく、「This does not match the facts.」と言えば、「これは事実と合っていない」という意味になります。相手を嘘つきと決めつけず、確認すべきポイントを示せます。
第三者に相談するときも、「He is a pathological liar.」だけで終わらせるより、「He often says things that later turn out not to be true.」の方が状況が伝わります。相談を受ける側も、相手の人格評価より、何が起きているのかを把握しやすくなります。カウンセラーや医療機関に相談する文脈なら、「I am worried about repeated lying and its impact on our relationship.」のように、行動と影響を分けて説明しましょう。
| 避けたい言い方 | 安全な言い換え | 日本語の意味 |
|---|---|---|
| You are a liar. | That does not match the facts. | それは事実と合っていません |
| You are a pathological liar. | I am concerned about repeated lying. | 繰り返す嘘が心配です |
| You are delusional. | I see the situation differently. | 私は状況を違う形で見ています |
| You always lie. | There are inconsistencies in the story. | 話に食い違いがあります |
まとめ
虚言癖を英語で表すなら、pathological lying や pathological liar が代表的です。ただし pathological liar は「病的な嘘つき」に近い強い表現なので、意味を理解していても、本人へ直接使うのは避けた方が安全です。英語では、言葉の正確さだけでなく、相手をどうラベル化するかにも注意が必要です。
compulsive liar は「嘘をつく衝動を抑えにくい人」、habitual liar は「嘘が習慣になっている人」、liar は「嘘つき」です。それぞれニュアンスは違いますが、どれも人に向ければ失礼になり得ます。会話では「He lies a lot.」「There are inconsistencies in the story.」のように、行動や状況を説明する文に置き換えると使いやすいです。
また、虚言癖と妄想癖は同じではありません。嘘をつく行動を説明するなら lying、強い信じ込みを説明するなら delusion と分ける意識が大切です。読み方は pathological liar が「パソロジカル・ライアー」、虚言癖は「きょげんへき」。まずはこの基本を押さえて、相手を傷つけにくい英語表現を選んでください。
pathological liar は虚言癖の英語表現として重要ですが、かなり強い言葉です。比較表で意味を整理し、例文では相手を決めつけない言い換えを選ぶと、英語でも日本語でも余計な衝突を避けやすくなります。
