「面接では優秀に見えたのに、採用後に嘘が発覚してしまった……」「虚言癖のある応募者を面接で見抜くにはどうすればいいの?」——採用担当のあなたへ。
面接での嘘や誇張を完全に防ぐことはできませんが、質問設計と評価の工夫によってリスクを大幅に下げることができます。具体的な対策を整理します。
- 面接で虚言癖・嘘が出やすいパターンを把握する
- 嘘・誇張を見抜くための具体的な質問技術を紹介
- 表情・しぐさなどの非言語サインの読み方
- 採用後のリスクを下げる体制づくりの方法
面接で嘘・誇張が起きやすいパターンと虚言癖の見抜き方

面接で嘘・誇張が起きやすい場面のパターン
応募者が嘘や誇張をしやすい場面には、共通するパターンがあります。これらを把握しておくことで、深掘りすべきポイントが明確になります。
- 実績・スキルの誇張(「チームをリードした」「売上を〇〇%改善した」など役割・数値の過大申告)
- 退職理由の美化(トラブル・解雇・人間関係の問題を都合よく言い換える)
- スキル・資格の詐称(未取得・未経験を「取得済み・経験あり」と言う)
- 志望動機の「作り話」(本音ではない動機を聞こえのいい言葉に変換する)
深掘り質問で嘘を明らかにする技術
嘘・誇張を見抜く最も効果的な方法は「深掘り質問」です。5W1Hを意識しながら、「それはなぜ?」「具体的にどんな状況で?」「あなた個人の役割は?」を繰り返し問うことで、実際に経験していない話の矛盾が浮かび上がってきます。
「チームをリードした」と言った場合、「チームは何人でしたか?」「あなたが具体的に判断した場面を教えてください」「そのプロジェクトで一番難しかった決断は?」と掘り下げる——実際に経験していれば答えられますが、話を盛っている場合は詰まったり、話がぼやけたりします。
| 応募者の発言 | 深掘り質問の例 |
|---|---|
| 「チームをリードした」 | 「具体的にあなたが下した判断を1つ教えてください」 |
| 「売上を大幅改善した」 | 「数値で言うと何%でしたか?その施策の立案者は誰でしたか?」 |
| 「一身上の都合で退職」 | 「その時期の仕事でやりがいを感じたことと、難しかったことを聞かせてください」 |
非言語サイン(表情・しぐさ)で嘘を察知する
言葉だけでなく、非言語のサインも参考になります。ただし、これだけで断定することは禁物です。あくまで「深掘りが必要なサイン」として活用してください。
- 目線が急に外れる・下を向く
- 答えを求めると突然饒舌になる(作り話が始まるサイン)
- しばらく黙り込む・返答に詰まる
- 細部の話を急にぼかし始める
- 話の細かい部分が前後で食い違う
性格検査との照合で矛盾を検出する
採用プロセスに性格検査・適性検査を組み込むことで、面接での自己申告との矛盾を検出できます。面接で「協調性が高い」と語っていた応募者が、検査で「自己主張が非常に強く対立を好む」という結果を示した場合、どちらが実像に近いかを検討できます。
性格検査は嘘の証拠にはなりませんが、「この部分をもう少し確認しよう」という追加質問のきっかけになります。
虚言癖のある人が面接で「うまく見える」理由
虚言癖のある応募者が面接でうまく見えるのは、「相手が聞きたいこと」を察する能力が高いからです。採用担当者の期待に合わせた言葉を瞬時に選ぶ能力——これが虚言癖と共存していることがあります。
「印象がよすぎる」「答えが完璧すぎる」という感覚は、むしろ注意が必要なサインかもしれません。実際の業務場面でのロールプレイや課題を課すなど、「準備された答え」以外を見る機会を作ることが有効です。
採用担当者が実践できる虚言癖リスクを下げる対策

複数面接官・複数回面接で一貫性を確認する
嘘・誇張のリスクを下げるには、複数の面接官が別々に同じ質問をするのが効果的です。面接官が変わっても一貫した答えが返ってくるか確認することで、作り話かどうかを判断しやすくなります。
また、時間をおいて同じ内容を再度聞くことも有効です。実体験ならばぶれることはほとんどありませんが、作り話の場合は細部が変わってくることがあります。
リファレンスチェック・バックグラウンドチェックの活用
重要な職種での採用では、前職の上司・同僚へのリファレンスチェックが有効です。「この人は〇〇をリードしたと言っていますが、実際はいかがでしたか?」という確認を行うことで、自己申告との乖離を検出できます。
試用期間・ミッション型課題での実力確認
面接だけで判断するのが難しい場合、試用期間や事前課題(ケーススタディ・実務ワーク)を導入することでスキルと実績の実像を確認できます。「言っていることと実際の行動が一致しているか」を業務の中で観察することが、最も確実な見極め方です。
採用後に嘘が発覚したときの対処法
採用後に経歴詐称や重大な嘘が発覚した場合、内定取り消し・解雇の法的根拠となりうるケースがあります。ただし、対応は慎重に。「盛った表現」程度であれば法的対応は難しく、まずは業務上の影響を確認したうえで対話を進めることが基本です。
また、入社後に虚言癖が疑われる行動が続く場合は、虚言癖のある人への対処法も参考にしながら、組織的な対応を検討しましょう。
虚言癖についての詳しい情報は、厚生労働省のメンタルヘルス対策の公式情報も参考にしてください。
まとめ:面接での嘘は「深掘り」と「仕組み」で減らせる
面接での嘘・誇張を完全になくすことはできませんが、深掘り質問・複数面接・リファレンスチェック・試用期間の活用によって、採用リスクを大きく下げることができます。
「印象がいい」だけで採用を決めず、「実際にどうだったか」を多角的に確認する姿勢が、組織を守る採用担当者の最大の武器です。
- 実績・退職理由・スキルの誇張が面接では起きやすい
- 「なぜ?具体的に?あなたの役割は?」の深掘りが最も有効
- 複数面接・性格検査・リファレンスチェックで多角的に確認する
- 試用期間・実務課題で言動の一致を業務の中で見極める
