虚言癖という呼び方だけで、障害者手帳が交付されるとは判断できません。精神障害者保健福祉手帳では、精神疾患の状態と、それに伴う日常生活・社会生活の制約を合わせて審査します。嘘をつく回数や周囲とのトラブルだけから、対象になるか、何級になるかを決めることはできないのです。
一方で、生活上の困りごとが続いているなら、手帳について主治医や自治体へ相談することはできます。「自分は対象なのか」を一人で結論づけるより、受診歴と生活の状況を整理すると、必要な治療や支援を確認しやすくなります。
この記事では、認定で見られる条件、初診日からの期間、申請・更新の流れを整理し、相談で使えるメモと質問例を紹介します。制度情報は2026年10月に公的資料で確認したものです。個別の診断や等級の判定は、診療と制度上の審査を通して行われます。
- 虚言癖という呼び方と精神障害者保健福祉手帳の認定条件を分けて考える
- 生活でできることと、支援が必要なことを具体的に伝える
- 初診日・診断書・提出先を主治医と自治体に確認する
- 手帳と障害年金・自立支援医療は別々に相談する
虚言癖だけで障害者手帳は取れる?認定で見られる条件

「嘘をつく」という行動だけでは認定条件を判断できない
精神障害者保健福祉手帳は、一定の精神障害の状態にあることを認定し、自立と社会参加を支えるための制度です。「周囲に嘘つきと言われた」「虚言癖があると思う」という自己評価や他人からの呼び方を、そのまま認定の根拠にする制度ではありません。
厚生労働省の判定基準では、精神疾患の存在、疾患の状態、生活上の活動制限を確認したうえで、障害の程度を総合的に判定するとされています。病名がついた場合でも、それだけで手帳の交付が決まるわけではありません。生活への影響や支援の必要性も確認されます。
たとえば、話を大きくすることがある人と、心身の不調が長く続き、通院や日常生活にも援助を必要とする人では、相談で確認すべき事情が異なります。同じ「虚言癖」という言葉でまとめられても、診療上・制度上の状況は同じとは限らないのですね。
反対に、相手への説明が事実と違っていたからといって、背景に精神疾患があると決めつけることもできません。本人が故意に話を変えたのか、記憶や認識に問題があるのか、強い不安などが関係しているのかは、文章だけで判断せず診療で確認します。手帳を考えるときも、病名探しより現在の支障から相談を始めましょう。
制度の根拠:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準」
虚言癖という言葉と病気の関係を先に整理したい場合は、虚言癖は病気か、受診の目安をどう考えるかも参考になります。このページでは、手帳の制度と申請前の準備に絞って説明します。
障害者手帳は3種類あり、相談する制度を区別する

「障害者手帳」は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をまとめた呼び方です。それぞれ対象や認定の仕組みが違います。虚言癖という行動から、いずれかの手帳を自動的に選ぶことはできません。
| 手帳の種類 | 対象の基本的な考え方 | 相談時に分けておくこと |
|---|---|---|
| 身体障害者手帳 | 身体の機能に一定以上の障害があると認められた人 | 嘘をつくという行動を理由に申請する制度ではない |
| 療育手帳 | 知的障害があると判定された人 | 自治体によって名称や運用が異なる |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 一定程度の精神障害により生活に制約がある人 | 疾患の状態と生活能力を合わせて確認する |
この記事で主に扱うのは、精神障害者保健福祉手帳です。公的な案内には、統合失調症、気分障害、てんかん、高次脳機能障害、発達障害などが対象の例として挙げられています。これは制度が扱う範囲の説明であり、「虚言癖の背景はこの病気だ」と結びつける一覧ではありません。
知的障害のみがあり、対象となる精神障害がない場合は、精神障害者保健福祉手帳の対象ではありません。知的障害と発達障害などが重なる場合は事情が変わるため、既に別の手帳がある人も、必要な制度を主治医と自治体に確認してください。どれを取得するかをネット上の診断チェックで決めないようにしましょう。
制度の根拠:厚生労働省「障害者手帳について」
1級から3級は、生活への制約を含めて総合的に判定する
精神障害者保健福祉手帳の等級は1級から3級です。大まかには、1級は日常生活を自分で営むことができない程度、2級は日常生活に著しい制限がある程度、3級は日常生活または社会生活に制限がある程度とされています。等級は本人の人格や価値を評価するものではありません。
この説明だけを読んで「一人で外出できるから対象外」「家族と会話できるから3級」と当てはめることはできません。複数の生活場面、症状の経過、必要な援助などを合わせて確認します。本人の説明だけでなく、診断書などの資料に基づく審査が必要です。
特に、嘘の回数、迷惑をかけた人数、トラブルの金額といった指標を、等級の早見表として扱わないでください。被害や問題が大きいことと、制度上の障害の程度が認められることは、同じ判断ではありません。困った出来事は診療に必要な情報として伝え、病気との関係や生活機能の評価は専門的な確認に任せます。
家族や知人の「あなたなら絶対に取れる」という言葉も、認定の保証にはなりません。主治医に相談するときは希望する等級を先に決めるより、「現在の状態で制度の相談をしてよいか」「どの情報が不足しているか」を聞くほうが、次の準備につながります。
制度の根拠:長野県精神保健福祉センター「精神障害者保健福祉手帳」
生活機能は、嘘の内容以外の日常も見ていく

認定でいう生活能力は、単に家事が得意か、人付き合いが上手かという意味ではありません。精神疾患に伴って、年齢に応じた生活を自発的かつ適切に行えるか、どの程度の援助が必要かを確認します。相談前には、嘘をついた出来事に加えて、普段の生活全体を整理しておくと伝えやすくなります。
| 整理する生活場面 | 診察で説明するためのメモの例 |
|---|---|
| 食事・身だしなみ・生活リズム | 食事を取れない日があるか、声かけで変わるか、身だしなみを整えるのに支援がいるか |
| 金銭管理・買い物 | 必要な支払いを把握できるか、買い物や手続きのどこで助けがいるか |
| 通院・服薬 | 予約や受診を続けられるか、病状や薬について主治医へ説明できるか |
| 意思伝達・対人関係 | 相手の説明を理解し、自分の希望や困りごとを伝えられるか |
| 安全・危機対応 | 困ったときに助けを求められるか、安全を守るうえで援助が必要か |
| 社会的手続・公共施設・活動 | 窓口や交通機関を利用できるか、活動に参加するためにどんな支援がいるか |
表は相談材料を整理するためのものです。該当した数で手帳の対象や等級を出すチェックリストではありません。金銭管理が苦手、片付けが苦手、対人トラブルがあるといった事情も、それだけで制度上の能力障害に該当するとはいえず、疾患との関係を含めて確認されます。
メモでは「できない」の一言だけで終わらず、どこまではできるのか、どの場面で止まるのか、誰が何を助けているのかを書きましょう。「予約日時を把握することはできるが、当日は家族が声をかけて同行している」のように、工程を分けると、必要な支援が伝わります。
また、診察の日にたまたま調子がよい場合も、いつもの状況を伝えて構いません。反対に、最もつらかった一日を毎日の状態のように話す必要もありません。よい日、悪い日、それぞれの頻度やきっかけを分け、わからないところは「確認できていません」と伝えてください。
制度の根拠:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項」
家族の援助や仕事の配慮も、隠さず具体的に説明する

家族と同居していると、食事、通院、金銭の確認などを家族が支え、表面上は生活が安定して見える場合があります。厚生労働省の診断書の記入上の案内では、支援者や家族がいない状況を想定した生活能力も確認する考え方が示されています。現在の援助を「普通にできている」とまとめず、助けの内容を説明することが大切です。
たとえば、家族が毎回予定を確認しているなら、「予定管理はできる」とだけ伝えると、援助が見えにくくなります。「家族からの確認で受診できている」「一人で予定を変更すると混乱することがある」と分けると、現状を共有しやすいですね。支援をやめて困ることを実験したり、申請のために無理な一人暮らしをしたりする必要はありません。
働いている人も、仕事内容だけでなく、仕事を続けるための配慮や、勤務後の生活の様子を伝えましょう。仕事をしているという一つの事実だけで、対象・対象外が確定するわけではありません。公的な等級の説明にも、配慮のある事業所で一般就労をしている人を含む例があります。
相談メモに書くなら、「担当者が毎朝手順を確認している」「対人調整は別の人が担当している」「勤務後は通院準備を自分で進めにくい」など、現にある事実を選びます。仕事の配慮があれば必ず認定されるという意味ではなく、医師が生活全体を確認するための情報です。無職であることだけを認定の根拠にすることもできません。
家族の説明と本人の説明が違うときは、どちらかを無理に合わせるより、観察している場面の違いを分けて共有しましょう。「本人は一人で買い物できると話しているが、家族は支払いの確認をしている」など、確認できた事実を中心にすると、責める言い合いになりにくくなります。
初診から6か月は、症状に気づいた日とは別に確認する

診断書で申請する場合、その精神障害に係る初診日から6か月以上経過した時点の診断書が必要です。この初診日は、「嘘が増え始めた日」「家族が問題に気づいた日」「手帳について検索した日」と同じ意味ではありません。手帳の交付を求める精神疾患について、初めて医師の診療を受けた日を確認します。
今の病院へ通い始めて間もなくても、前の病院で同じ疾患の診療を受けていた経過がある場合は、前医の初診日が関係することがあります。転院したから必ず期間が最初からになるとは限りません。ただし、本人が日付を都合よく選ぶことはできないため、受診歴を主治医へ伝えて確認しましょう。
準備する情報は、過去の病院名、受診した時期、当時の主な困りごと、紹介状や診察券などです。正確な日付がわからないときは、覚えている年月と確認できる資料を分けて伝えます。記憶のあいまいな日付を断定したり、受診していない日を初診日として記載してもらおうとしたりしないでください。
6か月経過していれば交付される、という意味でもありません。期間の条件と、精神障害の状態・生活上の制約についての認定条件は別々に確認されます。まだ受診していないなら、手帳のために期間を数え始めるより、困りごとの診療や必要な生活支援を先に相談して大丈夫です。
制度の根拠:大阪市「精神障がい者保健福祉手帳」
虚言癖で障害者手帳を考えるときの相談準備と申請手順

相談メモは、事実・生活への影響・援助を分けて書く
相談前のメモは、読み上げても渡しても使える短い形にすると負担を減らせます。自分を「虚言癖」と診断した文章や、申請を通すための説明を用意する必要はありません。主治医が状況を理解するための材料として、確認できた事実をまとめます。
- いつからどのような困りごとがあるか、確かな時期と不確かな時期を分ける
- 最近起きた出来事を、実際に話した内容と確認できた事実に分ける
- 食事・通院・対人関係・仕事など、どの生活場面に影響したかを書く
- 家族や職場から受けている声かけ・同行・調整などを具体化する
- これまでの受診先・治療・使っている支援を整理する
- 手帳で確認したいことと、それ以外に困っていることを分ける
たとえば、相談文は「相手に嫌われるのが怖く、事実と違う説明をしてしまうことがあります。最近は説明を訂正できず、職場への連絡や受診でも困っています。通院の準備は家族に手伝ってもらっています。治療と生活上の支援について相談したいです」のようにまとめられます。これは説明の作り方の例で、病名や認定を示すものではありません。
事実と違う内容を話したあとで訂正したことも、隠す必要はありません。「前回は大丈夫と言いましたが、実際は家族が支えていました」「覚えていない部分を確かなことのように話しました」と、診察の初めに修正できます。最初からうまく話せなくても、確認しながら情報を整理していくことが大切です。
記録を毎日完璧に付けようとすると、かえって相談が遅れてしまうことがあります。すぐ説明できる具体例を数件選び、生活で特に支援が必要な場面を添える程度から始めましょう。第三者の氏名や私生活など、診療に不要な詳しい情報を集める必要はありません。本人と家族のメモが異なる場合は、作成した人もわかるようにしておきます。
主治医には、認定の見込みより確認事項を質問する

主治医は、病状や生活能力を確認して、制度に必要な診断書を作成する役割を担います。手帳の交付・等級は制度上の審査で決定されるため、医師への相談も「絶対に取れると約束してほしい」ではなく、申請に必要な確認へつなげると進めやすくなります。
| 主治医に聞くこと | 確認したい目的 |
|---|---|
| 現在の状態で、精神障害者保健福祉手帳について相談できますか | 病状と生活への影響を踏まえ、申請準備に進めるか確認する |
| 手帳の対象となる疾患と初診日は、どのように確認しますか | 自己判断で病名や日付を決めない |
| 生活の状況を伝えるために、追加の情報はありますか | 家族の援助や職場の配慮など、説明の不足を確認する |
| 手帳用診断書をお願いする場合、書式・費用・所要期間はどうなりますか | 自治体の用紙と病院での作成手順を合わせる |
| 手帳以外に、治療や生活を支える制度を相談できますか | 通院負担や生活支援を別に検討する |
依頼する診断書は、精神障害者保健福祉手帳用の所定様式です。休職や欠席のための一般的な診断書と同じとは限りません。先に自治体から用紙を入手したほうがよいか、病院に用意があるかを確認してから依頼すると、書式の行き違いを減らせます。
診断書の作成費用や日数は医療機関で確認してください。ネット上の相場や別の病院の料金を、そのまま自分に当てはめないようにします。自治体に費用の助成があるか聞くことはできますが、全国共通で無料になるとは考えず、対象条件も確認しましょう。
通院先がない場合は、自治体の精神保健福祉の相談窓口で、受診先や支援の相談から始められます。病院探しの整理には、虚言癖の困りごとを病院へ相談する際の準備も参照できます。カウンセリングを受けていることだけで、手帳用診断書が作成されると考えず、医師への診療が必要かも確認してください。
自治体では、提出先と必要書類の最新版を確認する

申請窓口は、住んでいる市区町村の担当窓口です。障害福祉の窓口、保健センターなど、自治体によって案内先が異なります。「精神障害者保健福祉手帳の新規申請について聞きたい」と伝えると、必要な窓口や書類を確認しやすくなります。
基本的な書類には、申請書、手帳用診断書または精神障害を理由とする障害年金の受給を確認できる資料、本人の写真などがあります。そのほか、本人確認、マイナンバーの確認、代理申請時の資料などが必要になる場合があります。診断書による申請と年金による申請では、そろえる資料が違います。
たとえば葛飾区の案内では、診断書の使用期限は発行から3か月間、写真は縦4cm・横3cmで、申請日から1年以内のものとされています。こうした要件は、手元にある古い写真や一般診断書で代用できるとは限りません。居住地の最新案内を見てから準備するほうが確実です。
- 新規申請の担当窓口と、窓口・郵送など利用できる提出方法
- 診断書の書式と使用期限、写真の条件
- 本人確認やマイナンバー確認に必要なもの
- 障害年金を受給している場合に必要な資料と同意書
- 家族などが代理で提出するときに必要な委任状等
- 現在の審査期間の目安と、結果・受け取り方法
窓口での質問例は、「診断書で新規申請を検討しています。現在の書式、診断書を提出できる期限、写真と本人確認に必要なものを教えてください。窓口に行くのが難しい場合の方法も知りたいです」です。個別の認定可否を電話だけで決めてもらうというより、手続きを間違えないための確認に使いましょう。
制度の根拠:葛飾区「精神障害者保健福祉手帳」申請書類と交付手続き
申請は、書類準備・提出・審査・交付の順で進める
診断書で申請する場合、一般的な流れは、自治体の案内確認、主治医への相談、書類の準備、自治体への提出、審査、結果の通知・交付です。住んでいる場所の担当窓口で順番と必要な予約の有無を確認してください。
まず、診断書を依頼する前に、現在の書式と初診からの期間を確認します。次に、病院で診断書ができる時期を聞き、写真や本人確認資料をそろえます。診断書に使用期限があるため、先に作成してから提出を長く先延ばしにしないよう、提出できる時期を合わせましょう。
提出後に追加の確認や資料が必要になる場合もあるため、連絡先を正しく記載し、窓口からの連絡の受け方を確認しておくと安心です。結果が届くまでの日数は一律ではありません。葛飾区では交付まで3か月程度、大阪市なども審査の流れを案内していますが、それを全国共通の期限として予定を立てないようにします。
精神障害を理由とする障害年金を現に受給している人は、年金の資料による申請方法を確認できます。年金を受けていなければ手帳を申請できない、という意味ではありません。また、精神以外の障害を理由とする年金の証書が、そのまま精神障害者保健福祉手帳の申請資料になるとは限らないため、受給理由も含めて窓口に確認してください。
家族が手続きを助ける場合は、本人の意思を確かめて、代理申請の条件を窓口に聞きましょう。本人に知らせず「虚言癖だから」と決めて申請する進め方にはしないでください。書類作成や説明に負担があるなら、担当窓口や医療機関の相談員へ、どの部分の支援が必要か伝えます。
更新は2年ごと、申請時期と現在の状態を確認する

精神障害者保健福祉手帳の有効期間は2年で、引き続き利用する場合は更新の手続きが必要です。有効期限の3か月前から更新申請ができる案内が、複数の自治体で示されています。手帳に記載された有効期限を見て、居住地の窓口で手続きの開始時期を確認しましょう。
更新は、初回に認定された状態をずっと固定する手続きではありません。現在の病状、生活の状況、必要な援助などを踏まえて再認定されます。以前と同じ等級が自動的に続く、反対に少し調子がよくなれば直ちに対象外になる、と決めつける必要はありません。変化を主治医に伝え、制度に沿って確認します。
期限直前に診断書を頼むと、予約や書類作成が間に合わないことがあります。更新可能時期が近づいたら、窓口で最新の必要書類を確かめ、病院の診察・診断書作成の予定と合わせると進めやすくなります。通知が来ることを前提にせず、自分や支援者の予定帳にも確認の時期を入れておきましょう。
転居、氏名変更、紛失、等級変更などがあった場合も、必要な届出や再交付の方法を窓口に確認します。更新と一緒に処理できるか、別の書類が必要かは自治体の案内に従ってください。期限を過ぎてしまったときは、あきらめて放置せず、再申請・更新の扱いと、使っている支援への影響を担当窓口へ確認します。
制度の根拠:江戸川区「精神障害者保健福祉手帳」有効期限と更新
障害年金・自立支援医療・支援サービスは別に相談する
手帳を調べると、障害年金や医療費助成の情報も出てきます。ただし、精神障害者保健福祉手帳、障害年金、自立支援医療は、目的も認定の条件も同じではありません。手帳を取得すれば自動的に年金が支給される、医療費がすべて無料になる、と考えないようにしましょう。
| 制度 | 主な目的 | 相談で確認すること |
|---|---|---|
| 精神障害者保健福祉手帳 | 精神障害の状態を認定し、社会参加などの支援につなげる | 対象となる状態、申請・更新、使いたい支援の条件 |
| 障害年金 | 病気やけがで生活や仕事が制限される場合の年金給付 | 初診日、加入していた制度、納付要件、障害の状態、請求方法 |
| 自立支援医療(精神通院医療) | 継続して必要な精神科の通院医療の自己負担を軽減する | 対象の治療、指定医療機関、所得等の条件、申請方法 |
障害年金には年金の加入・保険料納付などの条件があり、請求は別に行います。手帳の等級から年金の支給を推測することはできません。精神障害による年金の資料を手帳申請に使う方法があることと、手帳から年金が自動的に決まることを混同しないでください。年金に関する個別の相談は、年金事務所などで確認できます。
制度の根拠:日本年金機構「障害年金」

通院を続ける費用が心配なら、自立支援医療について主治医や自治体へ聞いてみましょう。精神通院医療は、継続的な精神医療が必要な人の医療費負担を軽減する制度です。手帳を持っていない場合にも相談でき、対象の医療や所得等の条件を別に確認します。民間の相談サービスの料金がすべて対象になる制度ではありません。
制度の根拠:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)の概要」
手帳で利用できる税の控除、料金の割引、自治体の支援なども、それぞれに条件や手続きがあります。使いたい制度の担当者へ、等級、居住地、所得、提示書類などの条件を確認してください。「手帳があれば全部使える」というまとめではなく、困りごとに合う支援を一つずつ確かめることが大切です。
非該当でも、生活の困りごとの相談は続けられる
審査で手帳の対象に該当しなかった場合、その結果は本人の苦しさや相談の必要性を否定するものではありません。手帳の認定条件に当てはまるかという判断と、治療や生活の支えが必要かという問題は分けて考えられます。
通知を受け取ったら、まず窓口に、結果の説明や確認方法を聞きましょう。書類に不足があったのか、状態の評価がどうなったのかなど、確認できる内容を整理します。そのうえで主治医に、今後の治療と生活支援、状態が変わった場合の相談について聞きます。書類を書き換えれば必ず通る、別の自治体なら認定されるといった約束はできません。
障害福祉サービスや公的な相談には、手帳の所持を必須としないものもあります。ただし、サービスごとに対象や必要資料があり、利用が自動的に認められるわけではありません。「手帳がないのですが、通院の継続や生活の予定管理に困っています。相談できる支援はありますか」と、現に必要な助けから聞いてみてください。
制度の根拠:国立精神・神経医療研究センター「障害者手帳・障害年金」
本人が診察や手続きで話を整理しにくいとき、家族は本人の了解を得てメモ作りや同行を手伝えます。その際は「この人は嘘つきだから障害者だ」と伝えるより、確認できた出来事、必要な援助、家族が困っていることを分けて説明します。本人の支援と、家族自身の負担への相談をどちらも大切にしましょう。
まとめ:虚言癖で障害者手帳を考えるなら、生活の支障から相談する
虚言癖という呼び方だけで、障害者手帳が取れるかを決めることはできません。精神障害者保健福祉手帳では、精神疾患とそれに伴う生活上の制約を確認し、総合的に審査します。嘘の回数や自己チェックの結果で、病名や等級を決めないようにしましょう。
次の診察では、「事実と違う説明をしてしまうことだけでなく、生活や通院にも困っています。家族から受けている援助も含めて、治療と手帳の制度について相談したいです」と伝える形から始められます。受診歴、普段の生活、必要な支援を短くまとめて持参すると、話す内容を整理しやすくなります。
主治医には病状と初診日、自治体には最新の書式と提出方法を確認してください。手帳の申請だけに目的を絞らず、通院費や日常生活で必要な助けも合わせて相談すれば、今の困りごとに合った支援を検討できます。
