家族の話が何度も事実と食い違い、「虚言癖の悩みを、同じ立場の人に聞いてほしい」と家族会を探している方もいると思います。話す場所を求めることと、家族に病名をつけることは別です。家族会を利用するために、分からない診断名を埋めたり、本人を病気だと決めたりする必要はありません。
参加できるかどうかは、会の対象と運営方針によって変わります。精神疾患のある方の家族向けの会もあれば、特定の生活上の困りごとを対象にする交流会もあります。「家族会」という名前だけでは判断できないため、まず募集案内を読み、対象が不明なら主催者へ確認するのが出発点です。
この記事では、交流の場の探し方、診断名が不明な場合の問い合わせ方、初回に話す内容、個人情報を守る準備を整理します。家族会は本人の診断や治療をする場所ではありません。条件に合う会が見つからないときに、家族自身が公的な個別相談を利用する道も一緒に確認していきましょう。
- 虚言癖の悩みだけで精神疾患家族会に参加できるとは限らない
- 診断名が不明なら事実を補わず参加対象を問い合わせる
- 匿名参加でも家族を特定できる情報や資料は出しすぎない
- 対象外のときは地域の公的個別相談から次の場所を探せる
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虚言癖の悩みで家族会を探す前の確認

最初に確かめたいのは、「家族に嘘をやめさせる方法を教わりたい」のか、「自分の経験や気持ちを話したい」のかという目的です。前者の答えを交流だけに求めると、期待と実際の活動がずれやすくなります。自分が求めている支えを言葉にすると、募集案内のどこを見るべきかが分かります。
交流と個別相談の役割を分ける
みんなねっとの「家族会について」では、精神疾患をもつ人の家族が集まり、支え合う活動を案内しています。活動には経験の共有や学習などがあり、個別の家族について診断を出す仕組みではありません。同じ会でも、交流が中心の回と講師の話を聞く回では過ごし方が変わるため、内容を確認して選びましょう。
ピアサポートは、近い立場や経験をもつ人同士が支え合う関わりを指します。参加者が専門資格をもっている場合もありますが、交流の席で専門職による継続的な個別支援まで受けられるとは限りません。「何を話せるか」に加えて、「個別の助言を受ける時間はあるか」「司会や相談担当者はいるか」も確認すると、利用場面を考えやすくなります。
| 場の種類 | 主に確認したいこと | それだけでは決まらないこと |
|---|---|---|
| 家族会・家族の交流会 | 対象となる家族、活動内容、話し方のルール | 本人の診断、治療方針、個別問題の解決 |
| 家族教室・学習会 | 対象テーマ、連続参加の条件、交流時間の有無 | 一人ひとりへの継続的な個別支援 |
| 公的な個別相談 | 地域の担当、予約方法、相談できる困りごと | その場での診断や薬の処方 |
| 医療機関・個別の心理相談 | 相談目的、対応範囲、本人不在で相談できるか | 交流相手の紹介や家族会への参加資格 |
たとえば「話を聞いてもらいたいけれど、大勢の前で細かな事情は話せない」という希望なら、見学や聞くだけの参加ができる会を探すか、個別相談を先に利用する方法があります。一方、「本人の言動の背景を判断してほしい」という希望は、参加者の体験談だけでは答えが出ません。家族会で聞いた病名を、そのまま家族に当てはめないようにしてください。
参加対象と見学条件を確かめる
「家族が繰り返し嘘をつく」という悩みだけで、精神疾患の家族会の参加対象になるとはいえません。反対に、診断名が分からないという理由だけで、すべての交流会が利用できないと決めることもできません。対象となる状況、続柄、居住地域、医療機関との関係などを、個別の募集要項で確かめる必要があります。
会の説明に「家族」と書いてあっても、配偶者や親だけなのか、成人した子どもやきょうだいも対象なのかは確認したい部分です。同居していない家族やパートナーの参加、未成年の参加、本人の同伴についても、会によって扱いが異なります。案内に書かれていない条件を、別の会の経験から推測しないでください。
- 対象となる病気・障がい・生活上の困りごとの範囲
- 診断や通院の有無が参加条件になるか、不明な場合の相談方法
- 続柄、年齢、地域、本人の同伴についての条件
- 初回見学、発言を控える参加、途中退出が可能か
- 申込期限、参加費・会費、入会の必要性、欠席時の扱い

無料の交流会も、有料の会もあり、単発の参加費と継続会員の会費が別になっている場合もあります。「初回だけ参加したい」「今は入会まで決められない」と伝え、当日までに何を支払うのかを確認しましょう。金額や参加回数は全国共通の基準として示せないため、実際に申し込む回の案内を見て判断することが大切です。
地域の団体と自治体から探す
地域で探すときは、住んでいる自治体の保健所・保健センター・精神保健福祉センターの公式サイトや、家族会の連合会の案内を起点にすると、主催者を確認しやすくなります。精神疾患のある方の家族向けの会を調べたい場合は、みんなねっとの都道府県連合会・関係団体一覧から地域の団体へ進めます。この一覧に載ることだけで、自分の参加が認められたことにはなりません。
具体例として、福岡県精神保健福祉会連合会の家族会案内では、精神障がいのある方の家族が運営する会と、家族同士で学び合うプログラムが紹介されています。これは探し方の例であり、居住地を問わず誰でも利用できるという案内ではありません。自分の地域の連合会や主催者へ、現在の募集状況と対象を尋ねてください。
自治体の「家族懇談会」「家族教室」「家族の集い」も探すときの名称になります。ただし、似た名前でも対象となる悩みや活動内容が同じとは限りません。募集案内の対象・続柄・地域・開催年度を読み、自分の困りごとが含まれるか分からなければ、申し込む前に担当窓口へ尋ねましょう。

検索するときは「自治体名+家族会」「自治体名+家族教室」「自治体名+こころの健康相談」など、地域と場の種類を組み合わせてみましょう。「虚言癖専用」の名前が見つからなくても、悩みを整理する入口は探せます。ただし、見つからない専用会をあるものとして考えたり、似た言葉の集まりを正式な支援団体だと思い込んだりしないことが大切です。
募集ページでは、掲載年、開催日、受付中かどうか、問い合わせ先を確認してください。昔のチラシや終了したイベントのページが検索に出ることもあります。過去に開催していたという情報は、今も同じ条件で募集している証拠にはなりません。案内が古いときは「現在も活動していますか。初めての家族が相談できる窓口はありますか」と尋ねれば十分です。
オンラインも対象と公開範囲を見る
外出が難しい場合、オンラインの交流も選択肢になります。ただし、掲示板で文章を読む形と、ビデオ通話で同じ時間に集まる形では、必要な準備が違います。家から参加できることと、本人や同居家族に聞かれず参加できることも別です。対象条件に加えて、自分が落ち着いて使える形式かを確認しましょう。
例として、みんなねっとサロンの公式案内は、精神疾患・障がいのある方の家族が匿名で相談し合う場と説明しています。診断名や治療経過などを登録する案内もありますが、公開の案内だけで、各項目の必須・任意や未診断の場合の参加可否まで一律に判断することはできません。虚言癖が気になるという事情だけで登録可能と考えず、不明な点を運営へ尋ねてください。
同サービスの会員登録案内では家族以外の登録や投稿等を遠慮するよう求めています。家族の代わりに本人の立場で登録したり、入力を通すために推測の病名を書いたりしないでください。利用条件が合わないときは、利用できる別の場所を探しましょう。

匿名という表示にも確認が必要です。参加者に本名を出さない仕組みでも、運営には連絡先や登録情報を伝える場合があります。同サービスのプライバシーポリシーには、利用者情報や患者情報など、取得する情報の種類が記載されています。自分の投稿・プロフィールのうち誰が何を見られるのか、退会や訂正の相談先はどこかを、利用前に確認しましょう。
SNSの検索で見つけた非公式の集まりは、主催者、参加対象、規約、困ったときの連絡先を別に確かめてください。参加人数や体験談の多さだけでは、安全な運営かは分かりません。公開範囲が分からないうちは、家族の事情を投稿せず、案内を読むところから始めるのが無理のない方法です。
虚言癖の悩みを家族会で話す準備

候補が見つかったら、最初から家庭のすべてを説明しなくても大丈夫です。参加条件を確認する連絡と、実際の交流の場で話すことを分けると、必要以上に個人情報を伝えずに済みます。初回の目標を「安心してその場にいられるか確かめる」と決めることもできます。
問い合わせは事実と希望を短く
主催者が参加対象を判断できるよう、続柄、現在困っていること、分かっている範囲の診断・通院状況、希望する参加方法を伝えます。病名が不明なら、そのまま「診断名は分かりません」で構いません。「きっとこの病気です」と推測を付け足したり、事情に合う病名をネットで探して使ったりする必要はありません。
上の例は、自分の実際の状況に合わせて直してください。診断を受けたことがないと確認できている場合は「未受診」、受診歴を知らない場合は「受診の有無は把握していません」と分けます。分からないことを無理に確かめるため、本人の書類や端末を調べてから連絡する必要はありません。まず自分が把握している範囲で問い合わせましょう。
本人に知られることが心配なら、「家への郵送は避けてほしい」「留守番電話に会の名前を残せるか事前に相談したい」など、安全な連絡方法も先に伝えます。希望した方法に対応できるとは限らないため、申込前に返答を確かめてください。フォームに連絡方法の欄がない場合も、分からないまま詳細を書き込むより、一般の問い合わせ窓口で確認する方が準備しやすいです。
参加対象ではないと分かったら、病名や続柄を変えて申し込み直すのは避けましょう。「この事情で相談できる公的窓口や別の交流の場をご存じですか」と一度尋ねる方法があります。紹介できる先がなくても、悩みが小さいという意味ではありません。その会の目的と受け入れられる範囲が、今の状況と合わなかったということです。
話す内容と伏せる情報を分ける
初回は「最近困った場面」「そのとき自分が感じたこと」「今日聞いてみたいこと」を一つずつ用意すると、話の焦点が定まります。家族が言った内容の真偽を参加者に判定してもらうより、自分の経験として説明する方が、交流の目的に沿いやすくなります。たとえば「約束した支払いが済んでおらず、確認のたびに説明が変わって不安です。皆さんは確認の負担をどう減らしていますか」という形です。
話す順序を決めても、用意したことを全部話す必要はありません。その場の様子を見て、「今日は聞くことを中心にしたい」「その部分はまだ話せません」と伝えて構いません。ただし、発言を控える参加が認められるかは事前に確かめておきましょう。初回から詳しい告白や結論を求められて負担なら、司会に相談し、休憩や退出を選ぶことも考えてください。
| 整理する部分 | 伝える例 | 出しすぎない情報 |
|---|---|---|
| 家族との関係 | 配偶者、親、きょうだいなど | 本人の本名、勤務先、学校名 |
| 困った場面 | 支払いの説明が変わり確認が続いた | 口座番号、契約書の画像、第三者の名前 |
| 自分への影響 | 眠れない、確認に時間を取られる | 不要な病歴や家族全員の経歴 |
| 聞きたいこと | 話す負担や確認の負担をどう減らしているか | 相手への診断や制裁を求める依頼 |

名前を伏せても、細かな地域、珍しい職業、子どもの年齢、出来事の日付を組み合わせると、知っている人には家族が分かることがあります。話の筋に不要な情報は「地方の町」「数か月前」などに広げましょう。話の内容を作り替えるのではなく、相談したい点を保ちながら特定につながる細部を減らす考え方です。
LINEやメールの画面、録音、診療書類を、そのまま参加者へ配る必要もありません。必要な情報があるときは、まず内容を言葉で要約してください。個別相談で資料が必要と言われた場合と、多人数の交流の場で共有する場合は分けて考えます。自分が持っている資料でも、本人や第三者の情報を含むことを忘れないようにしましょう。
参加中の守秘と連絡方法を確認する
参加前には、話した内容の持ち出し、録音・撮影、画面保存、SNSへの投稿のルールを確認してください。対面の会でも、名札の名前、参加者名簿、会報に載る情報、郵便物の送り先など、確認する場面があります。「秘密を守ります」という説明だけで、自分が気になる運用のすべてが分かるわけではありません。
みんなねっとサロンのガイドラインでは、他人の個人情報の開示や収集などを禁じ、経験の押し付けにも注意を促しています。また、同サービスの利用規約では利用者同士の連絡先交換も禁止されています。交流で親しみを感じても、外部のSNSへ移ったり個人連絡を交換したりする前に、必ず利用する場の規則を確認しましょう。

ビデオ通話の会なら、表示名、カメラの必要性、背景、音声の扱い、録画の有無を確認します。端末に登録してある本名や勤務先が、入室時の名前に使われることも考えて、接続前に見直してください。カメラを切れるか、途中で音声を止められるかも会ごとのルールです。自分だけで決めず、案内に従って準備しましょう。
ヘッドホンは相手の声が周囲へ聞こえるのを抑えますが、自分が話す声までは隠せません。同居人に聞かれる心配がある場合、落ち着いて話せる時間や場所を用意できるか考えます。公共の場所で画面を広げたり、周囲に声が届くまま事情を話したりするのは避けたいところです。環境を確保できなければ、文字での交流や個別相談など別の形式も検討してください。
他の参加者の話は、本人が特定されない形でも外へ持ち出さないのが基本です。会の規則がある場合はそれに従い、自分用の振り返りも、他人の事情を書き留めるより「自分が取り入れたい工夫」に絞りましょう。運営がルールを設けていても、参加者による漏えいの可能性まで完全になくなるとはいえません。最初は共有範囲を控えめにして、安心できるか確かめてください。
合わないときは個別相談へ戻る

参加した後は、「事情が近い人がいたか」だけでなく、「話さない選択を尊重されたか」「助言を断っても居づらくならなかったか」「次も参加する余力があるか」を振り返ります。その場で前向きになれなくても、参加が失敗だったとは限りません。少し時間を置いて考えたり、次回の参加を見送ったりして構いません。
参加者から病名を決めつけられた、責められてつらかった、物品やサービスへ強く勧誘されたときは、司会や運営の連絡先へ相談してください。相手を納得させようと、家族の詳細をさらに差し出す必要はありません。「その話題は控えたいです」「購入は考えていません」「今後の連絡は運営を通してください」と短く伝え、負担が続くなら利用を休む判断もできます。
条件に合う家族会がない、集団で話すこと自体が難しいという場合は、地域の公的な個別相談を入口にできます。厚生労働省の相談窓口案内は、保健所・保健センター・精神保健福祉センターなどを紹介しています。家族の病名を確定させてから探すという順序に限らず、今の困りごとと利用できる支援を整理する相談先として確認してみましょう。
たとえば、沖縄県の精神保健福祉相談は、家族など関係者からの相談も受け付け、人間関係や心身の不調などの相談例を示しています。ただし、地域の対象、予約、受付方法は窓口ごとに異なります。同県の案内ではメールや問い合わせフォームでの相談を受け付けていないため、他の地域も同じだと決めず、自分の地域の公式案内を読んで連絡してください。
相談では「家族の話の食い違いが繰り返され、私は確認を続けて疲れています。自分が相談できる場所と、対象に合う交流の場を知りたいです」と伝えられます。家族会を紹介してもらうことだけに絞らず、自分の困りごとに合う支えを一緒に整理してもらいましょう。家族の受診について考えたい場合は、家族が受診を拒むときの相談の進め方で、交流とは別の準備を確認できます。
自分の気持ちを継続して個別に整理したいときは、個別のカウンセリングの選び方も参考になります。生活の負担を減らす工夫を先に考えたい場合は、家族の嘘で疲れたときの生活の守り方を確認してください。いずれも家族会の参加条件の代わりではなく、目的に合わせて使い分ける選択肢です。
虚言癖の悩みと家族会の選び方まとめ
虚言癖が気になる家族のことで家族会を探すときは、まず対象と活動内容を確認し、自分が求める支えと合うかを考えましょう。精神疾患のある方の家族向けの会は、繰り返す嘘の悩みだけで自動的に参加できるものではありません。診断名が不明なら、その事実を伝えて主催者へ参加可否を尋ねることから始められます。
今日できる一歩は、候補を一つ選び、「この事情は対象か」「初回は見学できるか」「どの情報を登録し、誰に見えるか」を問い合わせることです。返答を待つ間に、初回で聞きたいことを一つ考え、家族を特定できる情報を出しすぎない準備をしておきましょう。参加が決まってから話す範囲を広げるかどうか考えても遅くありません。
合う会が見つからなければ、公的な個別相談で地域の選択肢を整理できます。家族会に参加すること自体を目標にせず、安心して話せるか、自分の生活に無理なく続けられるかを基準にしてください。本人の診断や行動の変化を急がず、家族である自分も支えを受けてよいと考えることが、相談先を選ぶ土台になります。
