虚言癖が気になる家族が受診を拒否するときの相談の進め方

ノートとスマートフォンを前に家族への対応を考える女性のイメージ

家族の嘘が続き、相談や受診を勧めても「必要ない」と断られる。そんなときは、説得を繰り返す前に、家族だけで相談できる窓口を確認することから始められます。本人が病院へ行かない間も、声のかけ方や生活上の困りごとを第三者と整理する道はあります。

虚言癖が気になるからといって、嘘だけを理由に病気と決めつけることはできません。本人の意思を尊重しつつ、家族自身の安全と生活も守ることが大切です。この記事では、受診拒否がある場面での話し方、自治体へ家族のみで相談する準備、通常の相談を待たず助けを求めたい状況を整理します。

この記事のポイント
  • 嘘の指摘と、生活上の困りごとの相談を分けて話す方法
  • 拒否理由に合わせて本人が選べる提案をする声かけ例
  • 家族だけの精神保健相談で受付時に確かめる条件
  • 相談メモにまとめる事実と、緊急の助けを求める目安
目次

虚言癖が気になる家族の受診拒否への声かけ

食卓で穏やかに話をする成人の家族のイメージ

嘘の指摘と受診の話を分ける

「嘘をついたのだから病院に行って」と言われると、本人には受診が罰のように聞こえることがあります。家族が知りたい事実の確認と、健康や生活についての相談は、同じ話し合いに詰め込まない方が整理しやすいです。まず、今回何を話すのかを一つに絞ってみてください。

たとえば、支払いを済ませたという説明と実際の請求状況が違うなら、支払いの確認は生活上の課題です。別に、眠れていない、仕事を休みがちになった、本人も人間関係で苦しんでいるといったことがあれば、その困りごとについて相談を提案します。受診したら請求の食い違いも自動的に解決する、とは考えないようにします。

本人の発言と家族の認識が異なるとき、家族側が確認しきれていない部分もあるかもしれません。「故意の嘘」「病気による症状」と最初から分類せず、分かっている事実、本人の説明、家族の推測を分けておきます。嘘の理由を家族だけで診断する必要はありません。

厚生労働省の子どもが助けを拒むときの案内でも、病名を憶測で伝えることを控え、本人のつらさに目を向ける考え方が示されています。これは子ども向けの情報です。成人の家族への対応を個別に判断する際も、診断名を先に置かず、実際の困りごとを相談の材料にしましょう。

一方で、本人が困っていないと言っていても、家族が消耗している事実は相談して構いません。「本人を変えるための受診」にしか目を向けないと、本人が動かない間、家族が支援を受ける機会も止まってしまいます。家族自身の睡眠や仕事、家計に何が起きているかも、別の課題として扱ってください。

相談の目的は、嘘を認めさせて勝敗をつけることではありません。今の生活で支援が必要か、家族は何を引き受けられるかを考えることです。病院の説明を持ち出す前に、この目的を家族側で確認しておくと、相手への伝え方も選びやすくなります。

本人が拒む理由を一つずつ聞く

「行かない」という返事だけでは、何が嫌なのかは分かりません。相談内容を知られたくないのか、費用や時間が心配なのか、病気と決めつけられたと感じたのかで、確かめる内容は違います。理由を聞くなら、「行きたくないと感じるのは、どの部分?」と答えを限定しない聞き方にします。

返事がすぐに出ないときは、その場で説明を求め続けなくても大丈夫です。言いにくそうなら、「予約のこと、費用のこと、話す内容のことなど、気になる点があれば教えて」と選択肢を添えます。ただし、家族が挙げた選択肢から必ず選ばせる必要はありません。「分からない」「今は話したくない」も、その時点の返答として受け止めます。

本人が話した不安は、すぐに否定しないようにします。過去の医療体験が嫌だったと言われたなら、まず何が嫌だったのかを聞きます。「どこの病院もそんなことはない」と保証すると、本人の体験を打ち消してしまいます。次に相談先を検討するとき、どの条件を事前に聞くかを一緒に決める方が具体的です。

本人の言葉の例家族が確認できること
病気と決めつけられたくない診断名で責めた言い方を引っ込め、何に困っているかに話を戻す
お金や仕事の都合が心配料金、予約の変更、受付時間を窓口へ確かめる
何を話せばよいか分からない話したいことだけを短く書く、同行を希望するかを聞く
家族に話を聞かれたくない本人だけで話す時間や情報共有の扱いを医療機関へ確認する
今は話したくないいったん話を止め、家族は自分の相談先を探す

この表は、拒否理由を診断する一覧ではありません。会話で出た不安を、問い合わせ可能な項目へ整理するための例です。「入院させられるのが怖い」と言われても、「絶対に入院にはならない」と約束せず、初回相談の流れを医療機関へ確認する形にします。

何度聞いても理由が分からない場合、家族が想像で穴を埋める必要はありません。「理由は分からないが受診の提案は断られた」と、相談窓口へそのまま伝えられます。本人の気持ちを完全に理解できてからでなければ相談できない、という順番にしないことが大切です。

声かけは心配と提案を短く伝える

声をかけるときは、観察したこと、自分が心配していること、提案の順にすると、何の話かを伝えやすくなります。「最近ずっとおかしい」ではなく、「今週、朝起きられず仕事を休んだ日があったね」と、自分が確認できた出来事から始めます。睡眠など、見ていないことを断定しないでください。

続けて、「私は体調と仕事のことが心配」と家族側の気持ちを伝え、「困っていることを誰かに相談してみない?」と提案します。本人がつらさを語ったら、すぐに受診へ誘導せず、まずその話を聞きます。相談を受けると何が起きるか分からない場合は、家族も知ったふりをせず、問い合わせるところから始めます。

厚生労働省の子どもを病院につれていくときのコツは、本人のつらさを受け止め、人格と困っている状態を分けて話す方法を案内しています。子どもへの声かけでは、この考え方を参考にしつつ、年齢や家庭の状況に合う対応を相談先と確認してください。

場面伝え方の例
説明の食い違いで家族も困っている支払いの説明が違っていて、私は対応に困っている。整理する方法を一緒に相談できないかな
本人が眠れないと話している眠れないのはつらいね。そのことを医師に相談するのはどうかな
受診の提案を断られた今は行きたくないんだね。私は対応に迷っているので、自分の相談をしてみようと思う
話が口論になり始めた今は落ち着いて話せそうにないので、この話はいったん止めたい

声かけ例は架空の会話であり、この通りに言えば本人が受診するという保証ではありません。自分の家庭で実際に起きていることに置き換えて使ってください。本人に不眠がないのに、受診へ誘うために「眠れていない」と言うのは避けます。

「相談しなければ家族ではない」「本当に反省したなら病院へ行け」といった言葉は、相談するかどうかと、家族関係や謝罪を一つの条件にしてしまいます。生活上の責任を話す必要がある場面でも、それは別に説明しましょう。長時間の説得や、複数人で囲んで返事を求める方法を選ぶ前に、家族側が専門職へ相談する方が進めやすいことがあります。

予約を急がず選べる部分を残す

相談を急がず考える時間を取ることを表すノートとお茶のイメージ

本人が相談を完全に否定しているのではなく、迷っている場合は、一度に全部を決めなくても構いません。「今日は窓口の情報を見るだけ」「初回の流れを電話で聞くだけ」と、今できそうな範囲を確認します。電話相談も抵抗があるなら、それを受け入れたうえで家族自身の相談に切り替えられます。

本人が選べる部分は、相談先だけではありません。家族が付き添うか、一人で話すか、どんな話題から伝えるか、どの時間帯なら動きやすいかなどがあります。ただし、実際に選べる内容は窓口や医療機関によって違うため、選択肢を提示する前に受付へ確認しておきます。

予約を家族が代行することに本人が同意した場合も、希望する日時や連絡方法を確かめます。本人に知らせず予約を取り、「もう予約したから行こう」と既成事実を作ったり、別の用事だと偽って連れて行ったりする進め方は避けてください。一般的な受診の提案と、緊急時の支援要請は分けて考えます。

「一度相談してもよい」と言われたときに、治療の継続までその場で約束させる必要もありません。初回に何を聞きたいか、どこまで家族の話を共有してよいかを確認し、細かな診療上の判断は医療者と本人の相談に任せます。家族は、分からないことを受付へ質問する役割を担えます。

相談先の種類そのものを比較したい場合は、虚言癖が気になるときの受診先と相談先の選び方で整理しています。本記事では、選んだ先へ本人が行くことを拒んでいる段階で、家族がどう動くかを中心に考えます。

断られた後は生活のルールを分ける

受診を断られても、家族がすべての後始末を引き受け続ける必要はありません。本人の相談する意思と、家族が引き受けられる支援は別の話です。たとえば、お金の立て替えを頼まれて困っているなら、受診するかどうかに関係なく、家族が対応できる範囲を具体的に伝えます。

「嘘をついたら病院へ連れて行く」という罰の形ではなく、「確認できない支払いを私が立て替えることはできない」「私名義の契約は私が内容を確認する」と、自分の行動を説明します。本人の生活を罰として脅かすための条件ではなく、家族側の負担を増やさないための範囲です。住まいや生活費の大きな変更は、勢いで決めず相談先と検討しましょう。

家族内で意見が違う場合もあります。誰かが強く説得し、別の人が秘密にして後始末をしていると、何を提案しているのか分かりにくくなります。本人を囲んで結論を迫るのではなく、家族の中で、連絡役、相談に行く人、緊急時に連絡する先を必要な範囲で確認します。全員が同じ考えになるまで相談を待つ必要はありません。

拒否後の会話を終えるなら、「今日はこの話を止めるね。私は家族としての対応を相談してみる」と短く伝える方法があります。相手が怒る、威圧するなど、伝えること自体が危険につながりそうなら、説明を優先せず安全な場所から相談してください。

「受診はしない」「嘘も認めない」と二つの問題が重なっている場合、認めさせる話だけに時間を使いすぎないようにします。事実確認や日常会話の整理は、嘘を認めない相手への会話と記録の考え方も参考になります。本人の返答を変えることだけを、家族の努力の評価基準にしないでください。

虚言癖で受診拒否が続くときの家族相談

家族が一人で電話相談をする場面のイメージ

家族だけで相談できる窓口を確認する

本人が相談を拒む場合でも、家族のみの相談を受ける自治体窓口があります。自分の市区町村や都道府県の公式サイトで、「こころの健康相談」「精神保健福祉相談」「保健所」「精神保健福祉センター」などの案内を探します。「虚言癖専用」の窓口が見つからなくても、気になる言動や家族の困りごとを相談できるか問い合わせてみてください。

具体例として、福岡県の筑紫保健所の精神保健福祉相談案内は、本人以外に家族等だけの相談も受け付けること、専門医師の相談には電話での事前申し込みが必要であることを示しています。費用は無料で、交通費・通信費は各自負担です。これは筑紫保健所の案内であり、全国の窓口が同じ条件という意味ではありません。

近くの窓口を見つけたら、最初に居住地と、本人との関係を伝えます。本人と家族が別の自治体に住んでいるなら、双方の居住地を伝えて担当を確認しましょう。窓口名が似ていても対象地域が違うことがあるので、予約する前に管轄を確かめると安心です。

受付で確かめる項目聞き方の例
相談対象と地域本人は受診していません。家族のみで相談できますか。別居でも対象ですか
予約と担当者電話相談と面接相談はどのように申し込みますか。誰が対応しますか
費用と準備相談費用はありますか。初回に必要なものは何ですか
情報共有本人への連絡や他機関への共有は、どの段階で確認しますか
急な悪化への対応次の面接までに状況が変わったら、どこへ連絡すればよいですか

最初の電話では、「家族の発言と事実が合わず、生活に支障がある。本人は相談を望んでいない。家族としてどう対応したらよいか相談したい」と伝えられます。診断歴が分からないなら、「診断の有無は把握していない」と添えれば十分です。病名を付けて説明しようとする必要はありません。

厚生労働省の全国の精神保健福祉センター一覧も窓口を探す入口になります。一覧は令和6年12月現在の情報なので、連絡前に各自治体の最新ページで担当地域、受付時間、予約方法を確認してください。

紹介された窓口が対象外だった場合は、「この居住地と困りごとなら、どこが担当になりますか」と聞きます。家族相談の対象でないことと、相談する必要がないことは別です。一般の問い合わせから担当部署を案内してもらう方法もあります。

事実と希望を短い相談メモにする

相談に備えてノートと資料を準備する手元のイメージ

初めて相談する場では、長い経緯を全部話そうとして、いま一番困っていることが埋もれがちです。メモは証拠で相手を追い詰めるためではなく、状況と相談したい点を伝えるために作ります。一枚程度にまとめると使いやすいですが、書けないからといって相談を延期しないでください。

最初に書くのは、本人の年齢、続柄、同居か別居か、いつ頃から何が変わったかです。次に、家族が直接確認できた出来事を二、三件選びます。「いつも嘘ばかり」より、「支払ったと聞いたが、後で未払いの通知が来た」の方が、相談員が生活への影響を把握しやすくなります。

本人の発言、見聞きした事実、家族の推測は欄を分けておきます。本人が「よく眠れている」と言い、家族は夜に起きている場面しか見ていないなら、その両方を書けます。実際の睡眠時間までは分からないと添えることも、大切な情報です。

メモの項目記入例(架空の例)
関係と生活状況成人の子。親と同居。仕事の状況は一部不明
確認できた出来事先週、支払い済みと聞いた後、未払い通知を家族が確認した
生活への影響家族が請求の問い合わせをし、仕事を休む必要があった
受診提案への返答相談を提案したが「必要ない」と言われた。理由は分からない
健康・安全の変化食事や睡眠の分かる範囲、暴力や脅しの有無を記す
家族が聞きたいこと次の声かけ、家計の守り方、状況が悪化した際の連絡先

この例は診断や受診の必要性を判定するものではありません。実際には、通院歴や服薬、飲酒などで分かることがあれば伝え、不明な部分は不明のままにします。本人が話していない情報を、家族が推測して補わないようにします。

健康や安全に関わる変化は、嘘の話に埋もれないよう別に伝えてください。食事が取れていない、眠れないと本人が訴えている、急に生活の管理が難しくなった、家族が怖いと感じているなどです。いつから、今どうなっているかを伝え、どの程度急いで対応する必要があるか相談します。

情報を集めるために、本人のスマートフォンやアカウントを無断で調べたり、私的な内容を多数の親族へ送ったりする必要はありません。まずは自分が見聞きしたことと、自分に生じている負担を整理します。資料を提出する場合も、どの情報が必要か、どう管理されるかを窓口へ確かめましょう。

本人に相談を知られたくない事情があるなら、最初の電話でその理由を伝えます。折り返し電話や郵便が安全に受け取れるか、連絡先として何を使うかも確認してください。「絶対に本人に知られない」と自分で決めつけず、安全上の懸念と連絡の希望を担当者に共有することが必要です。

相談で決める次の一歩を具体化する

相談後に落ち着いて話し合う成人の家族のイメージ

家族相談は、本人の診断や治療を家族が代わりに受けるものではありません。家族から見た状況を整理し、本人への関わり方や、必要な支援の選択肢を考える機会です。医療機関の家族相談を利用する場合は、実施の有無、料金、予約方法をあらかじめ確認します。

たとえば、武蔵小山こころのクリニックの家族相談案内は、家族からの話だけで本人の病名を確定できないことを示しています。相談できることと、その場で本人の診断が付くことは分けて理解しておきましょう。

初回に「本人を何とかしてください」とだけ伝えるよりも、家族が決めたいことを絞ると話し合いやすくなります。「次に受診を提案するなら、どんなタイミングがよいか」「お金の立て替えを止めたいが、どう伝えるか」「本人の状態に変化があったら、どこへ連絡するか」など、今の家庭で迷っている選択を挙げます。

面談の終わりには、次に家族がすること、本人へ伝えるかどうか、再相談の方法を確認します。「様子を見ましょう」と言われた場合も、どんな変化を見て、何が起きたら連絡すればよいかを質問してください。待つ期間を自分で一律に決めるより、状況に応じた目安を担当者と共有する方が役立ちます。

本人が相談を受け入れないままでも、家族が一人で対応する時間を減らす、連絡役を決める、請求や契約の確認方法を整えるなど、家族側の行動は検討できます。ただし、訪問支援や関係機関との連携がすぐ行われるとは限りません。利用できる支援の条件と、本人への説明や同意が必要になる段階を確認しましょう。

一度相談しても本人の意思が変わらないことはあります。そこで「相談は無駄だった」と結論にせず、家族の負担や安全を守る方法が増えたかを振り返ります。新しい出来事があれば、前回からの変化として伝えて再相談できます。担当外の問題なら、別の窓口へのつなぎ方を聞いてください。

家族自身の不眠や強い不安が続いているなら、そのことも独立した相談内容になります。日常の負担の整理については、家族の虚言癖に疲れたときの距離と役割の考え方も参考にできます。本人の受診が決まるまで、家族の助けを後回しにしなくてよいのです。

緊急時は説得より安全を優先する

ここまでの声かけは、落ち着いて話せる状況を前提にしたものです。意識や呼吸がおかしい、暴力が起きているなど、その場で安全を確保する必要がある場合は、通常の予約相談を待たないでください。緊急性は「虚言癖かどうか」ではなく、現在の身体の状態や危険な行動を見て判断します。

呼びかけに反応しない、呼吸が苦しいなど急な重い症状がある場合は、119で救急を求めてください。消防庁の救急受診ガイドでも、反応がない場合などを緊急の対応が必要な状況として示しています。通報時は住所、いまの状態、起きたことを伝え、指令員の案内に従います。

暴力や脅しで身の危険があり、緊急の警察対応が必要なら110です。危険な相手を説得しようとして近づいたり、家族だけで押さえ込もうとしたりせず、安全な場所から助けを求めます。緊急ではない生活の安全に関する警察相談は、警察署または#9110を利用できます。区分は警察庁の相談案内で確認できます。

「死にたい」と話す、自分を傷つけた、食事や睡眠の状態が大きく悪化したなどの変化も、嘘の有無だけで片づけず、早めに専門職へ伝えたい内容です。いま自傷行為が起きている、薬を大量に飲んだ、命の危険が迫っているときは119などの緊急対応を優先してください。以前の発言が事実と違ったことを理由に、今回の危険を否定しないようにします。

突然、話が通じにくくなったり、意識がもうろうとしたりしたときも、「また嘘をついている」と受け止めないことが大切です。心の相談だけでは対応できない身体の異常が含まれる場合があります。家族だけで原因を特定せず、今の状態を救急や医療機関に具体的に伝えます。

受診拒否があるだけで、家族が強制的な搬送や入院を決めることはできません。緊急時にどの支援が必要かは、医療機関や行政などが状況に応じて判断します。家族が制度を使えば必ず本人を入院させられる、といった説明や、本人をだまして連れて行く方法に頼らないでください。

本人の同意によらない入院にも、精神保健福祉法に定められた要件があります。家族相談を申し込むことと、本人を入院させる判断は別です。具体的な制度の適用は、本人の状態を踏まえて専門機関へ確認してください。

普段から、通常の家族相談先と、緊急時の連絡先を分けて確認しておくと行動を選びやすくなります。家族相談では、危険を感じたときの避難や連絡方法も相談できます。相談メモを完成させることより、現在の安全を優先してください。

虚言癖と受診拒否は家族相談から整理する

虚言癖が気になる家族が受診を拒否しているとき、最初の目標を「今日中に病院へ連れて行く」に固定しなくても構いません。本人の意思を確認しながら、いま生活で起きている問題を分け、家族自身が相談できる先を探すことから始められます。

最初の一歩としては、本人と家族の居住地を確認し、自治体の公式サイトから精神保健相談の受付を探してみてください。電話で家族のみの相談が可能かを聞き、いま困っていることと、本人が提案を断っていることを簡潔に伝えます。詳しく整理できていなくても、担当の案内を求めることはできます。

  • 安全に話せるなら、病名を決めつけず本人の困りごとと希望を聞く
  • 受診の説得が続く前に、家族のみの相談対象・管轄・予約方法を確認する
  • 面談では家族の次の行動と、再相談・緊急連絡の目安を決める
  • 急な身体の異常や身の危険があるときは、通常の相談を待たず助けを求める

本人を尊重することと、家族が傷ついたり生活を崩したりするまで支え続けることは同じではありません。受診を受け入れるかどうかを本人と話す一方で、家族が守る範囲と外部へ相談する方法を整えていきましょう。まず一件、家族相談の受付条件を確認する。それも、状況を前に進める具体的な行動です。

相談窓口の情報は2026年10月2日に公式案内を確認しました。予約方法や受付条件は変わることがあるため、利用時には対象地域の最新案内を確かめてください。本文の声かけ・記入例は説明用の例であり、個別の診断や治療方針を示すものではありません。

目次