虚言癖かもしれない相手の説明が何度も変わり、自分の記憶まで疑って疲れてしまった。そんなときは、相手に嘘を認めさせることより、接触を減らして休むこと、分かる事実を記録すること、困りごとに合う相手へ相談することを優先してください。
傷ついた気持ちを大切にすることと、出来事の真偽を確かめることは両立できます。「自分の感覚は全部間違い」「自分の記憶は必ず正しい」のどちらにも決めず、気持ち・確認できたこと・分からないことを分ける方法を紹介します。
虚言癖の被害で疲れたときに自分を守る

まず困っている被害と安全を確認する
嘘の内容によって必要な対応は変わります。雑談の誇張なら聞く時間を減らす、予定の食い違いなら文面で確認する、金銭や仕事の被害なら記録と相談先を確保する、と分けて考えます。相手の性格を説明できなくても、自分の予定やお金を預けない選択はできます。
暴力、脅し、つきまといなどがあり危険を感じるときは、対面で証拠を突きつけたり、一人で解決しようとしたりしないでください。警察への相談案内では、緊急通報は110、緊急でない生活の安全に関する相談は最寄りの警察署や#9110とされています。
事実・説明・未確認を三つに分けて記録する
記録は「自分が絶対に正しい」と証明するためだけのものではありません。後から状況を説明し、判断を助けてもらう材料です。例えば、約束の時間について話が変わった場面なら、次のように整理できます。
| 区分 | 記録する例 |
|---|---|
| 確認できたこと | 自分が受け取ったメッセージには「午後3時」と書いてある |
| 相手の説明 | 当日、相手は「午後4時と伝えた」と話した |
| まだ分からないこと | 別の連絡で変更があったか、相手が何を見てそう説明したか |
| 生活への影響と気持ち | 1時間待った。予定が崩れ、不安と疲れを感じた |
日時、発言、その前後、保存した資料、実際に生じた影響を短く残します。資料がなく記憶だけの場合は、そのことも書いてかまいません。安全に保存できる範囲で元のメッセージを残し、相手の端末へ無断でアクセスしたり、記録をSNSに公開したりしないようにしましょう。
確認する範囲と連絡の窓口を絞る
相手の発言を一日中確かめ続けると、休む時間がなくなってしまいます。「業務の話はメールで」「お金の話は資料がそろうまで判断しない」「今は必要な連絡だけにする」と、自分が扱う範囲を決めてみてください。相手を説得しきることを条件にしなくても大丈夫です。
ただし、連絡を減らすことへの報復や危険が心配なら、方法を一律に決めず支援先に相談しましょう。全部を記録し終えるまで相談を待つ必要もありません。
虚言癖の被害を相談につなげる

生成AIによるイメージです。実際の相談者や記録を写したものではありません。
相談の目的を一つ決めて伝える
身近な人に話すときは、「まず話を聞いてほしい」「起きたことの整理を手伝ってほしい」「職場の相談に同行してほしい」など、今ほしい助けを一つ伝えると話し始めやすくなります。相手の悪さを認めてもらうことだけを目的にせず、自分の生活で困っている点を説明してください。
例えば「約束の説明が何度も変わり、確認に時間を取られて眠れません。連絡の窓口を分けたいので一緒に考えてほしい」と言えます。すぐ解決策が出なくても、負担と希望を共有するところから相談は始められます。
被害の内容で相談先を選ぶ
- 職場の業務・評価・ハラスメント:上司、人事、社内相談窓口。使いにくければ外部の労働相談へ
- 金銭の貸し借りや請求:資料を整理して法律相談へ。商品やサービスの契約は消費生活相談も選択肢
- 交際相手の暴力・監視・脅し:地域のDV相談窓口や警察へ
- 不眠・食欲の変化・不安など自分の不調:かかりつけ医、精神科等の医療機関、地域の心の相談へ
職場の相談先は、厚生労働省のハラスメント相談窓口案内でも確認できます。金銭問題の資料整理はお金の嘘に気づいた後の記録と相談先、仕事上の記録は職場で嘘に巻き込まれたときの証拠と人事相談で詳しく扱っています。
自分の心身のケアを後回しにしない
眠れない、食事が取れない、集中できないなどの不調があれば、相手との問題の決着を待たず相談できます。この記事だけで病気やガスライティングの有無を判断することはできません。受診時は、体調の変化と始まった時期、生活への影響を伝えてください。
厚生労働省の「まもろうよこころ」には、電話やSNSなどの相談方法と、悩みや地域に合う支援先を探す案内があります。利用できる時間や対象は窓口ごとに確認してください。回復の速さや必要な支援は人によって違うため、気持ちを早く切り替えなければと自分を追い立てる必要はありません。
まとめ:全部を証明する前から助けを求めてよい
虚言癖による被害が心配なときは、安全を確認し、事実・相手の説明・未確認のことを分け、被害の内容に合う相談先を選びましょう。自分のつらさを否定せず、判断に迷う部分は第三者と整理してかまいません。相手を変える責任や、すべての嘘を調べ切る役割を、一人で引き受けなくて大丈夫です。
